懐かしさの正体

【前記事から続きます】
そしていよいよ本殿へ…と思ったのですが、近くに気になる摂社があったのでそちらへ。そこの居心地がすこぶる良かったのです。
ここのおじいちゃん(祀られている神の印象。仙人みたいな感じ。)があんな不吉な予言降ろしたってなんか信じがたいな。
クニノトコタチだって玉置神社行ったときに全然怖い感じではなかったし。
人も来ないし暑かったので、ここでしばらく涼ませてもらいました。
「おじいちゃん、記念に写真撮ってええ?」
「だめじゃ。」
「え~、なぜ??」
「記念写真は仲良くなってから撮るものじゃ。」
なるほどね。
たしかにそのとおりだ。
俺はありったけの疑問を投げかけてみた。
「俺ひふみ神示嫌いなんだけど、なんで知ったところでどうしようもない事言って不安煽るの?」
「ほうほう、そのように解釈するのか。
予言は当てるためにあるのではないぞ。
そう、パラレルワールドとやらじゃ。」
「確かに既に日本が滅びてる世界も、レムリアが滅びてない世界もあるかもね。
ってことは、おじいちゃんは予言通りにならないようにって警告したの?」
「そうじゃのう…まあ当時の時代の影響もあるかのう。
翻訳者のフィルターを通すから、神示などいかようにも解釈できよう。」
「要は翻訳者がネガティブ系だとああいう解釈になるってこと?
事実と解釈をごちゃまぜにするやつが多くてうんざりだよね。」
「むしろお主はなぜそこまで嫌う?
そのようなものは放っておけばよいではないか?」
「不安や恐怖を煽るだけ煽って対策も教えない奴って嫌やん。
例えばアヌンナキの話だけして外し方教えないやつとかさ。
人を不安にさせるだけで対策わからないなら、そもそも語るなよって。」
「なるほどのう…。」
おじいちゃんは思慮深げにつぶやくと、RFを出してみろと言った。
「お主の中に葛藤があるようじゃの。
人の自由意志を尊重して干渉しない立場と、なんとかしてやりたいという思い。
そしてトラウマとなっているカルマの肩代わり。
それらがRFのリミッターとなっておるようじゃ。
でも人は時に頭では無理だとわかっていても、あがく時がある。
その時こそ人の魂は輝き、成長する。
その瞬間にだけ使えるパワーを授けよう。」
そう言うと、RFの出力が倍以上になった。
「おお、すごい!
強力になったのはわかるけど、どう使えばいいの?」
「今言ったとおりじゃ。
ここぞというときに使え。
強い力や緊張状態、戦闘態勢も時には必要となる。
そのときにだけ使えば、カルマの肩代わりにはならぬよ。」
「ありがと、おじいちゃん♪
じゃあこのパワー、RF-Dって名付けるわ。
早速使い所考えとくね。」
(ちなみにDはドーピングの頭文字ですw)
おじいちゃんにお礼を言って、記念写真とって次なる目的地である奥宮へ。
アップダウン激しく木陰のない2キロは結構堪えました。
奥宮の近くには古墳がありました。
案内板によると、ここらへんを統治していた人の墓らしい。
誉田別命に使えていた人だそうな。
普段は古墳はスルーですが、なんとなく雰囲気が良かったので入ってみることにしました。
古墳の頂上でボーっとしていると、惣ちゃんが「魄を開放するんだ」と言うではないですか。一瞬なにそれと思うも、先日の大甕での件を思い出す。
この古墳の中の人の魄を開放しろってことか!
惣ちゃんにガイドしてもらい、RF-D を古墳に突き立てると、ふわっとした弱々しい青い光が出て、俺の体内に入ってきた。
うわっ、また変なの連れ帰っちゃったんじゃね??
恐る恐るその光にアクセスしてみた。
「あの~、俺についてきてもまぁ何もメリットないっていうか…はは。」
しかしその光に妙な懐かしさも感じていた。
惣ちゃんに感じたのと同じような感情だ。
せっかくなので麻賀多神社の奥宮で、もう少し深く潜ってみることにした。
「俺と会ったことありますか?…ってあるよね。
今生で会った誰かの過去生ですか?…もう転生してないんだ。
・・・っていうか、親父だよね?」
自然と溢れる涙。
まさにレムリア時代のトウキの父親が転生した人が、ここに葬られた人だったのです。
トウキは自由奔放だったので一族の掟を守らず、代わりに父親が任務の代行をしてくれていました。(トウキは表立っては言わなかったものの、父親には感謝しまくっていました。)
ある戦の後、一族が守っていた海底神殿(実はディオノが作った)が破壊されてしまい、父親は自分の命を削って立派な神殿を立て直しますが、それが元で命を落とします。
それ以来トウキは神殿を命がけで守るようになり、最後のあの鬱展開に繋がります。
「父さん、色々迷惑かけて済まなかった。
あの頃の俺は、自由を縛るものすべてに反発していた。
一族の掟とか、なければいいと思ってた。
でも今ならわかるよ。
古くから続くものが全て善じゃないけど、続くからには何か意味があるんだって。
その意図に共感した時、俺は守る側に回るんだ。
性格は基本昔のままだけど、今も守りたいものはいくつかあるんだ。」
「今トウキのデータベースを見せてもらったから、全てわかったよ。
今生でもラデル君やフィユに会えたのか。良かったな。
もうあまり喧嘩売るんじゃないよ。
あの嫁さんとは、こういう結末になったのか。
政略結婚が嫌で旅に出たお前が、まさかよりによってまた同じ相手と結婚しようとしたは…(笑)。
まあ反省しているようだし、突っ込まないよ。
しかしあのイタズラ息子がこんな立派に育つとは、父さん安心したよ。
妹は相変わらずのようだがね。」
(注…トウキの妹は今生アラサーの薬剤師(男性)です。
頭が固くて頑固で突然ふらっといなくなりますが、トウキはラデル級にかわいがっていました。)
帰り道、歩きながら父親と色々会話しました。
おかげで私の心の深い部分での傷がふさがってきたようでした。
で、気になったのが惣ちゃんとトウキ父親に感じた感情がほぼ同じだったこと。
惣ちゃんも過去で俺と関係あったのか?
でも私は江戸時代の日本には生まれていないはずだし…。
となると、俺と縁深い人の過去生が佐倉惣五郎なのだろう。
惣ちゃんのエネルギーを左手に出し、右手に俺が親しい人の現在のエネルギーを出して一致度を調べてみる。
すると、極めて似ている人が一人いた。
そりゃ懐かしくなるわけだ。
(誰なのかは…秘密w)
ありがたいことに一日4便しか無いバスを発車数分前にキャッチできた。
成田駅まで20分位かかったから、ここを歩こうとしていたのかと思うと…我ながら単独行動の時のいい加減さに呆れてしまう。
惣ちゃんが転生した相手には、伊勢で会える。
なんとか場の力を借りて覚醒手術をしたいものだ。
そうすれば惣ちゃんも喜ぶだろう。