クジラへの転生

復讐に生きる虚しさ

見える姿はクジラ。
シリウスから直接来たわけではなく
何かを見守るためにクジラに転生したようだ。

彼は本体を置いてきてしまった。
わかりやすく言うと、彼はアストラル体を
レムリアの海底神殿に残したまま
身体だけはクジラに転生したのだ。

これは彼の前世の意思なのか、
あるいは物理的に閉じ込められたのかわからない。
(前世の肉体は人柱のようになっている)

クジラとして転生したレムリア人は多い。
皆沈んだレムリア大陸の技術が
アトランティスに悪用されぬよう監視を続けているようだ。

だが、この彼は実は喜んでいた。
クジラになって自分を束縛するものがなくなったから。

レムリア人の時は、自分はなんと思い込み激しく
ルールでがんじがらめの世界にいたのだろう。
当時守らなければと思っていたものが
今となってはどうでもいいとさえ思える。

もともと好奇心旺盛で、束縛されることを嫌っていた彼は
ここぞとばかりに世界各地の大海原を巡った。

今まで想像もしなかった海底の世界。
見るもの全てが真新しかった。
彼は望みどおり自由を謳歌できたのだ。

だが、偶然立ち寄った海域で
彼は仲間のクジラ達が狩られている現場に遭遇する。
彼らを狩っていたのは人間。
おそらくアトランティスに属するものだった。

その時彼は過去の記憶を思い出す。
アトランティスに一矢報いたい!
そんな衝動が彼の中を駆け巡った。

彼は自分の身を呈して
アトランティスの軍船を
海底火山近くの海域におびき寄せる。

そこで地殻の力を利用して
彼らを一網打尽にするのだが
同時に自らも浅瀬にはまり
水の温度上昇と落盤により命を失った。

意識を失う瞬間の彼の声は
してやったりという達成感が圧倒的。
だがその中に一抹の憂いを帯びていた。

私は奴ら(アトランティス人、以上に深い意味がありそう)に殺されるサダメなのか。
運命には逆らえないのかもしれぬ。

いつまで続くのかな、と自嘲気味になりつつ
クジラはその生涯を終えようとしていた。

物理的に自由になったとしても
心が復讐にとらわれてしまっていると
結局はその想いに囚われ、身を滅ぼす。

このクジラはそのことを何となく察知し、
でもまだ怒りの念がおさまっていないようです。
転生後にも似た状態を繰り返してしまいます。

そこが過去生の怖いところでもあります。
ちなみに天野尊貴の過去生ですw。

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